主な研究成果
■ Iδ指数
(あいでるた しすう)森下の指数のなかでも特に有名で現在でも利用されているものが1959年に発表されたIδ指数と呼ばれている指数。
これは、生物の分布様式を解析する指数で、以下の式で計算される。
q :区画数
xj :j番目の区画の個体数
Iδ > 1 のとき分布様式は集中分布
Iδ = 1 のとき分布様式はポアソン分布に従う機会分布
Iδ < 1 のとき分布様式は一様分布
■ Cλ 指数
(しいらむだ しすう)Iδ指数とならんで現在でも利用されている指数に、群集の類似度をあらわすCλ指数がある。この指数は1959年に発表されており、以下の式で計算される。
ここでλAとλBは、2つの群集AとBにおけるシンプソンの多様度指数であり、たとえば群集Aの標本において採集された対象生物の総個体数をNA、i番目の種の個体数をnAiとした際に、下記式である。
■ 環境密度理論 アリジゴクを使った巧妙な実験と考察
森下正明の業績のなかでもユニークな理論は、生物の環境をその生物の環境選択を通じて個体群の密度に換算して評価するという考え方ある。
「自然をあるがままにとらえ、その上で自然を測り出す」という思想そのものの理論といる。
アリジゴク(ホシウスバカゲロウGlenuroides japonicusの幼虫)を使って生物自身が置かれた環境の質を評価し、その質に応じて密度が決まることを証明した。
■ 「清滝川のゲンジボタルおよびその生息地」として国の天然記念物に指定
愛宕山麓の小集落・清滝ふるさと再生へ可能性を求めて p153 最終行